心に残る演奏会  第3章  ギリシャ編(古代遺跡の劇場~近代建築のホール) 
 ANCIENT THEATRE OF EPIDAURUS
エピダウロス劇場の思い出
この劇場では毎年夏の季節になると、フェスティバルが開催され、音楽会や演劇が上演されます。
私も1990年代には、オーケストラのメンバーとして、素晴らしい音響を誇るこの美しい劇場で演奏
参加していました。中でも特に印象深かったのは、1993年9月4日に開催されたスペインの素晴らし
い歌手のガラ・コンサート、ホセ・カレラスとモンセラート・カバリエが出演する演奏会でした。

 私はナショナル・シンフォニー・オーケストラ ERT(ギリシャのラジオテレビ放送交響楽団)の
第1ヴァイオリンのメンバーとして共演し、間近で素晴らしい迫力のある歌声を聴くことができま
したが、何よりも大変だったのは、リハーサルの日のことでした。夜遅くから合わせ練習が始まる
ギリシャのタイムスケジュールにソリストが気分を壊されてしまい、それに加えて、その日の夜が
何故か大変寒く、皆で凍えてしまい(場所柄、日中は暑くても朝晩は一気に冷えることがあり)、
休憩時、団員たちは皆で固まって体を温めあう等しないと、指が動かなくなるほどの状況でした。

コンサート当日は運よく気温も穏やかで、厳重な警備のもとで準備が進められ、昼間の時間帯に
和やかな雰囲気の中で、少し合わせ練習ができました。会話の中で、何が面白可笑しかったのか、
皆で笑いが止まらず、ソリストのお二方も笑いを堪えきれず吹き出してしまい、大笑いされまして
「わっ!はっはっはっ!」~はっ~はっ~のお声が、どのくらい木霊したことか。。。
山彦というのでしょうか?、この劇場の音響に驚きました!!
警備犬の頭の良いシェパード犬達もリハーサル時から待機しており、時折音楽を聴きながら一緒に
リズムをワン!ワン!と巧みに打ち、楽しいゲネプロタイムになりました。
Montserrat Cavallé  and  José Carrerass
performed toggether in Greece
at the Ancient Theatre of Epidaurus
on September 4, 1993,
accompanied by the ERT national Symphony Orchestra
conducted by Vjekoslav Ŝutej.
Program;
Rossini,Tosti,Gounod,Massenet,Mascagni,Saint-Saens.
  もちろん演奏会は超満席でした。時間になると厳重な警備のもと入口の門は閉められ、門外には
 遠くから来たのに入れなかった人々でごった返し、その人々の不満の声も、「ヴーッ、ヴーッ」と
 うなりの様な音で木霊して聞こえてきて、とても可愛そうでした。(アテネから3時間かかるので)
 演奏会は大盛況で、ロマンチックなオペラの音楽、独唱、ソプラノとテノールの素敵な二重唱他、
 どの曲も大変素晴らしく、思い出に残るコンサートでした。
  終演後は、14000人の観客が全員、全ての車が駐車場から履けてから、やっと団員を乗せたバスが
 発車できるので、3時間ほど待ってから移動、ホテル到着は深夜12時過ぎ!。。一息着いてから、
 夕食ならぬ夜食にステーキ!。。でした。
【エピダウロス遺跡】
  ペロポネソス半島南東端のエピダウロス市に位置する、紀元前4世紀後半に建設された、美しい古代
 ギリシャ劇場は、優れた音響と良好な保存状態により、1988年にユネスコ世界遺産に登録されました。
 14000人収容できる座席やオーケストラ(円形の舞台床)は石灰岩や大理石で造られており、メイン舞台
 からの音は、囁き声やマッチを擦るシュッとした細やかな音も、座席の最上段まで大変良く聞こえます。
 毎年夏の季節、5月から9月にかけて、様々なフェスティバルが開催され、訪れる人々を魅了しています。
PALLAS THEATER OF ATHENS
1989年に、ギリシャで始めて出演した劇場は、アテネ市内中心部にあるパラス劇場でした。
当時はまだ改築前のホールでしたが、皆様の温かいご支援のお陰様でほぼ満席なり、大盛況でした。 
1階と2階席バルコニー合わせて
1486席ある天井の高いホール、
近代ネオクラシック建築様式で
階段は美しい大理石です。
(2006年にリニューアルされた)
1989年2月25日、デビューリサイタルを開催。
≪プログラム≫
モーツァルト/ソナタK.454、
ベートーヴェン/ソナタNo.5「スプリング」
ドビュッシー/ソナタ
リムスキーコルサコフ/金の鶏ファンタジー、
バルトーク/ルーマニアンダンス、他 
共演ピアニスト:ヤーニス・ジョンケル
PIRAEUS MUNICIPAL THEATRE
 港町ピレウスにあるオペラハウスの様な素敵なホールで、チェンバーオーケストラと出演し、
バッハ作曲2台のバイオリンのための協奏曲をイギリス出身で指揮者兼ピアニスト(チェンバロ)と
ドイツ出身アテネ在住のバイオリニストと共演しました。大変響きの良いホールで、特に2楽章は
チェンバロの音色が入ると、うっとりするような素敵な音楽になり、とても気持ちよく伸びやかに
 演奏する事ができました。半円形のロマンチックなバルコニーに囲まれた座席600席も満席でした。
     
私が演奏したのは改築前のホールでしたが、全く緊張せず、夢のような気分で弾いたのを忘れることはありません。
プログラム(1992) バッハ;2台のバイオリンのための協奏曲、他 第1Vn;アンナ・スタルノフスカ(内藤)
第2Vn;Luise Ramos Stahl 指揮/チェンバロ;John Trevitt アテネ 室内楽団
 MEGARON THE ATHENS CONCERT HALL 
 1991年には近代的なコンサートホールが完成され、その広いステージには国内外の素晴らしい
芸術家の方々が出演する演奏会やオペラ・演劇等を上演できるようになり、ベルリンフィルを始め、
海外のオーケストラやオペラ公演も楽しめるようになり、芸術のレベルが一気に向上しました。
座席は1960席(1100+860)で、2010年にはChristos Lambrakis名称となっています。
国際的に活躍する
団員の方々は明るい
人達でギリシャ各地
他、チャーター機で
エジプトやカナダ等
国外ツアー公演にも
出演し、皆で一緒に
楽しい、有意義な
一時を過ごしました
オーケストラ団員集合写真 

近代的な外観

ホール内座席
  このホールは、Greek Radio Symphony Orchestra ERTの定期演奏会も開催され、同時にテレビ中継され
  ていた大変懐かしい場所、ホワイエも綺麗でブッフェの食事も大変美味しく、とても贅沢な仕事場でした。
  1991年頃でしたか、歌手のSarah BrightmanとThomas Hampson のガラコンサートがあり、リハーサルの
  時に座席の一番後ろでブライトマンの声を聴いてみたのですが、凄い迫力のある声量でした。当時はまだ、
  伝統的なクラシックを歌う歌手でしたが、衣装はいつも煌びやかかでした。本番は金色のスリットのある
  ドレスを身にまとい、優雅な足さばきでステージに登場、素敵な歌声で観客を魅了しました。
 ≪つぶやき≫
Quartet Nakas ギリシャのテレビ 生放送 国外公演
アテネ市内ナカス音楽院の
教授陣で結成された四重奏団
ナカス・カルテットは、
アテネ市内他、ギリシャ各地
15都市で演奏し
室内楽の普及に貢献した。
Violin;
Nancy Bargerstock
(ジュリアード音楽院卒)
Anna Starnowska
(モスクワ音楽院卒)
Viola;
Natasha Anana Kiosoglou
(パリ音楽院卒)
Cello;Maarcel Spinei
(ルーマニア出身)
 朝9:30からの生放送は大変!
ERT1番9:00のニュースを早読み
された後、コマーシャルが入り、
その直後に方をポンと押されて、
「はい、どうぞ!」で、本番!!
クライスラーの愛の歓びと、
バルトークのルーマニア舞曲を
演奏。共演ピアニストは、
Melopi Kollarou(リスト音楽院卒)
朝の「音楽の一時」なので、
爽やかで、重くない曲を、
というリクエストを頂き選曲。
帰りはそのまま電車に乗ったら
皆に話しかけられ、びっくり!
「先程の、テレビみたよ」
ですって、凄い視聴率!
オーケストラの国外公演でエジプトの
カイロやカナダのモントリオールに行き
ました。エジプトでは宿泊施設での諸々
のトラブルがありましたが、何とか無事
終演できました。エジプトに行ったのは
春でしたが、3日目の自由行動日に40度
近く気温が上がってしまい、迷った末に
管楽器メンバーのグループに入れて頂き
せっかくなので、ピラミッドを見学して
きました。内部や周辺も歩き回ることが
でき、歴史の勉強もでき、感激して帰路
に着きました。気が付いたら、熱中症に
なっていて、その後1週間は皆さん大変
でした。でも、最高級のホテルだったの
で、お食事はとても美味しかったです!
素敵なお土産も買うことができました。
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